「僕のエルシノア」(山崎広太)より
Photo : 田中英世
〜ブルーに近い空、限りなく空に近い広大な砂漠の高山地帯、一面に咲く黄色いChamisaの花、曖昧な微風に吹かれ、香りさえ無いその花は、この風景に無くてはならないものだった〜
この風景に接したとき、身体の高揚を感じた。登山家は山があるから山に登るという、そこにある身体は、どのようなものだろう。かつてボルネオ島のジャングルに行った時、自分のすべてのエネルギーはジャングルへと吸収されていった、そこに存在することでさえ危うかった。僕はこの黄色いChamisaの花から、この風景からインスパイヤーされた作品を創りたいと思った。そこは未来の不可視な身体の可能性があるに違いない。山崎の変革期の作品。
【プロフィール】
山崎広太 Kota Yamazaki [振付家]
笠井叡、故井上博文に師事。1994年バニョレ国際振付賞受賞、95年〜01年までrosy Co.を主宰、国内外で多数公演。01年放浪の旅に出る。03年セネガルのジャンメイ・アコギー主宰Jant-bi co.にルワンダ・ジェノサイドをテーマにした「Fagaala」を共同で振付、歴史的な作品となる。06年女性ダンサーだけの作品「処女作」発表、自身のカンパニーFluid hug-hug、「rise: rose」で、メルボルンフェスティバル、NY(DTW)、07年3月東京(吉祥寺シアター)。
フィービー・ロビンソン Phoebe Robinson [ダンサー]
2000年WA Academy of Performing Arts卒業。メルボルン在住のダンサー/新進振付家。 Lucy Guerin Inc.、Dance Works等の作品に出演。03年Melbourne International Arts Festivalでの「Symptomatic」でGreen Room賞にノミネート。
リー・サール Lee Serle [ダンサー]
11才から踊り始め、2000〜03年 Victorian College of the Arts でダンスを学び、数々の振付家作品に出演。 04年 Australia Council より奨学金を受け、 Lucy Guerin Inc.作品に出演。同年Chunky Moveに参加、国内外をツアーする。
ニック・サマービル Nick Sommerville [ダンサー]
2000〜03年 Victorian College of Arts在籍中から数々の振付家作品に出演。04年自身の小作品の振付や、Sandra Parker振付作品に出演。 Arts Victoriaの助成を受け、Helen Herbertsonと共同制作開始。
ジョアン・ホワイト Joanne White [ダンサー]
1993年ハンブルグバレエ学校入学、同バレエ団へ進み98年まで出演多数、世界ツアーにも参加。パースへ戻り Victorian College でダンスを専攻。 02年 Australia Councilより助成を受け、Phillip AdamsのBalletlabで現在も活動。
菅谷昌弘 [音楽]
ステージ、美術、映像などの音楽を手懸けるとともに、他の分野のミュージシャンとのコラボレーションなども試みる。自由な感性と独自の発想から生まれる音楽は、時代やジャンルの壁を軽々と凌駕する。
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